12/05の日記
00:09
パロディである事は確かだが元ネタはどっちだろう
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※タクシーがやんでるかもしれない
死フォン←タクかタクフォン←死っぽいの
一巡後の世界
OK?
↓
車内でジリリ、ジリリ…と電話のベルがなる。
無論私の携帯端末ではない。いくら他に乗客がいなくとも、私はマナーを守る。
自然、目の前の席に座っている男に目を向けると全身真っ黄色なイカレた姿の男が苦笑して、自らの横にある片腕に抱えられる程の大きさの木箱に唇を寄せた。
「しぃーーーっ」
途端、煩かった音はピタリと止む。まるで生き物にでもやるような仕草に薄気味悪く思っていると、男は再度苦笑して小さく謝罪してみせた。どうせ口先だけだろうが。
「すいませんね、俺の電話が」
「いや、私一人ですし構いませんよ…携帯を木箱に入れておくと取り出し辛いでしょう?電源を切って懐に入れておいては?」
「いえ、申し訳ないがコイツに電源はないんですよ。なにせ公衆電話なもんで」
その言葉に思わず眉を寄せる。
公衆電話?そんな博物館ですらあるかないかの代物を後生大事に抱えているのか?今更この時代に?しかし今鳴ったからには電源が入っていなければならないはずだ。やはり携帯端末が入っているのだろう。公衆電話は一度博物館で見た事があったがあれは持ち運びできるようなモノじゃなかった。
「信じてないですね」
「えぇ、あまり…博物館でガラス越しに見たくらいなので。よければ少し見せていただきたい」
男は一度顔をしかめたが、箱を一瞥するとすぐに機嫌を直して、いいですよと蓋を上げた。
そこには公衆電話や携帯端末どころか、人形が収まっているだけだった。
赤毛の、虚ろな目をした人形だ。それが花に囲まれ、まるで棺のように見えて悪趣味に映った。
やはり嘘だった。大方この人形の後ろにでも携帯が入っているのだろうと思って顔を上げると男が至近距離でニヤニヤと笑んでいた。
ビクリとして後ずさったその時、ふいに目に入った人形が先程と顔が変わっている気がした。絶望し、今にも泣きわめきそうな表情ー…思わず何故か人形へと手を伸ばしかけた途端、男が素早く蓋を下ろした。
「どうです?いい趣向でしょう。この公衆電話はもう誰にも使われなくなったから、俺が貰ったんですよ」
「今のが電話だって!?からかうのはよしてくれ!ただの人形じゃないか!!」
「電話ですよ。公衆電話。必要とされなくなった。だから俺が貰う」
何故か焦燥が募る。あの人形がどこか懐かしい気がして、男に食い下がった。
「分かった分かった。電話ですね。ではその電話は博物館に寄贈すべきだ!そこにあってこそそれは価値がある」
「結構。触れられもせずガラス越しにしか愛されないなんてコイツも真っ平でしょう。寂しがりで人肌が好きな奴なんでね。アンタみたいのにはやはり荷が勝ちすぎた。結局こうなる。もう二度と信じない事に決めるんだ」
「何を言ってるんだ…アンタ、精神病だよ。私のクリニックに来るといい。こう見えても私は医者なんだよ」
「…いいえ、もう違いますよ。だってアンタ、この電車に乗ってるじゃねえか」
「何?」
「失礼…降りる駅だ。俺達はこの先の終点には行けない。ここでお別れだ。…お前には少しばかり感謝しているよ。やっぱりコイツは任せられないけどな」
サッと乗車口を降りていく男に追いかけようとしても足が動かなかった。
胸が痛む。追いかけなくては。
取り返さなくては、愛しているんだ今でも!!
何 を…?
プシュ、と蒸気を上げて走り去っていく電車からか細くアナウンスが聞こえる。
「迷界〜迷界〜グレゴリーハウスのお客様はこちらでお降りください。次はー終点ー。冥界ー冥界ー…」
己以外誰も立っていないホームで黄色い男は木箱を抱きしめて耳を済ませた。リリ…リリ…とか細い声で泣くソレに、笑みを深めてホームから降りていくと彼らを迎えるように黄色い車が目の前に停車した。
「帰ろう。俺達の…グレゴリーハウスへ」
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裏で書いてたけど裏ってほどじゃねーなって思ったのでこっちで。(中途半端な長さだからいちいちブック作るのとかめんどいナリィ…)
押し絵と旅する男か魍魎の匣かどっちかのパロディ。もしかしたら両方です(どちらもろくに読めていない)
一巡して、魔女や魔術師以外要らなくなったグレゴリーハウスとちゃんと死者を冥界まで送るようになった電車。
当然、死体達のように目当てでない魂は要らなくなったのでジョンは迷界では降りられない。
誰にも使われなくなって忘れさられたら消滅するのでニルスレベルまで縮んでしまい、ジョンも自分を覚えていないのでタクシーしかいないフォン。
もし万が一あいつが覚えていたらあいつに渡してやるよ!と言って葬式デコしたけど皆目そんなつもりも予定もないタクシー。
この後、酒場で失恋パーティしてお酒を浴びるほど奢ってあげます。その後でTVフィッシュにジョンの記憶を喰わせます。
明日からはもう個人所有のお電話です。
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