りたーんず

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ボーイとガールが盛大なため息をついた。
ボク、なんだか余計な事しちゃった…?

さぁ…これからどうなる?





『中華鍋仲直り大作戦』が失敗に終わり、ボク達はまた中庭に来ていた。

「とにかく、今後はプレゼントをキッチンに置いておく事にして…これ以上、使い方が分からない物を贈らないほうがいいみたいだね。…でも何にしようか…」

ボーイが難しい顔で悩んでいる。

「お困りだね!?悩んでるね!?ジャッジしようかー?」
「…審判…少し黙って自分のやった事を思い出してみようか?」

やんわりと断られてしまい、ボクは肩を落とした。その時、ガールが、あ!と大きな声をあげる。

「本とかどうかしら!?これなら使い方を知らない人なんていないわ!!」
「料理本とか?いいかもしれないわねぇ〜…でも土から出すんでしょう?汚れちゃ台なしよォ〜?」

キャサリンの言葉に、ガールが胸を張る。

「大丈夫!私にいい考えがあるの!!」


ガールはまず空き缶を一つ埋めて、半透明の四角い束を取り出した。
その束から半透明の袋を一枚取り出し、空き缶を2、3本その中に入れてまた埋めなおす。

次に取り出した時には、半透明の袋はそのままで中身だけが空き缶から本へと変化していた。

ボーイが驚きの声をあげる。

「そうか…先にビニール袋を出して…埋めたら中身のイメージだけ変えれば!!」
「そ!全然汚れないってワケ!!」

よく分からないけど、ガールのすごいアイデアで汚れなくなったらしい…。

だけど、中身をみた途端ボーイが妙な顔をした。

「美味しんぼ、クッキングパパ、くいたん、鉄鍋の………ガール…なんで漫画ばっかりなんだい?」

確かに、ガールの出した本は全部マンガだった。
ボーイのツッコミに、ガールが爽やかな笑顔を浮かべる。

「…ボーイ…あなた私が本を読む人間だと思ってるの?その本を読んだのもマン喫よ!?」
「…道理で…前回タマシイ集めの時…やけに小説ばっかり僕にくれるなと思ったよ…」

ボーイが遠くを見ながら頷く。その時、ボーイの手が一冊の本で止まった。

表紙では紫の髪の少年が変わったポーズをとっている。

「…ガール…これ料理関係ないよね!?」
「えーとタイトルは…魔少年ビーティー…どう考えても料理には関係なさそうだね!」

ボク達は無言で見つめた。…まだ何も言っていないのに、ガールはぶんぶんと首と手を横に振る。

「…いや…たまたま一緒に読んで気に入ったってゆーか…これならわざわざ新しく本棚買わなくていいかなー…なんて思ったからじゃないのよ!?たまたまよ!?」

ボクは頷いて、ボーイを振り返った。

「よし、ジャッジしようかボーイ?」
「そうだね…徹底的にやってあげて」
「ごめんなさい嘘です」

ガールが正直に頭を下げる。ちぇー…またジャッジ出来なかったなぁ。

ボーイが苦笑しながらため息をつく。

「まったく…最初から正直に言ってくれればいいのに…」
「え!?じゃあバオーもオッケー!?」

ガールが口にしたタイトルに、ボーイの手が素早くビニール袋の口を縛る。

「さてと…じゃあこれちゃんとシェフに渡さなきゃね…」
「まさかのボッシュート!?ひどいわボーイ!!」
「こうでもしないとガール…シェフと仲直りする前にシリーズ全巻揃える気でしょ!?」

だいたいなんで短編集から先に出すんだい!?とボーイがガールを怒る。
怒っている内容はよく分からないけど…ボーイの怒り方になぜか親分を思い出した。

…そろそろ真面目にやらないとボクも怒られるんだろうなぁ…とぼんやり思う。

「なによ〜!そんなに言うなら、ボーイは料理本出せるの!?」
「出せるよ!僕だって、料理本くらい見たことあるし!!」

そういうとボーイも空き缶入りビニール袋を埋め、本を出した。

「ほら!料理本に、グルメ雑誌!植物図鑑!!」
「おぉー!すごいねボーイ!!ボーイも料理好きなのかい?」
「いや、一度見たことがあれば内容を覚えてなくても出せるからね…これくらいは出来るさ」

そう言いながらも、ボーイは満更でもない様子で胸を張った。

その時、キャサリンが二人の出した本を見比べて呟いた。

「…でもこれ…料理入門本よねぇ…?それにグルメ雑誌って作り方も載ってないし…」
「うっ…そ、それはそうだけど…」

パラパラと本をめくりながらキャサリンが的確なダメ出しをしていく。
それに、と付け加えた言葉がボーイにトドメをさした。

「そもそも…あの人…他人の作ったモノは食べたいとも思わないみたいだしねぇ…。これなら、ガールの本の方が面白いんじゃな〜い?」

ボーイが地面に膝をつく。その姿を見て、ボクは重大な事実に気がついた。

「そうか…分かったよボーイ!…真面目にやっても、報われるとは限らないんだね!?」

ボクの大発見に感動したのか、ボーイは地面に両手をついた…。




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はい、怒られるネタ続きですね!お察しの通りジョジョラー…ナンダコレです!

管理人がジョジョラーなせいでガールまでこんなことに…ボーイじゃなくてもorz状態です。

まぁ分かりやすさ追及のために本編ではあんまりジョジョネタやりません。ただ…ギリギリアウトと自重の間で揺れる悪戯心の行方は誰にも行方不明ですが。一言でいうとまぁつまり…予定は未定気分次第って事ですね!(最低)

さて次回は急展開!シェフ編、怒涛(?)のクライマックス!
シェフの欲しかったモノって…以下次号!


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