りたーんず

□02
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昨日はタチの悪い夢を見た…きっとそういう事だろう…

悪夢を見るのが怖くて、眠る事が出来ないなんて事が許されるのは…子供のうちだけだ。

僕はもう子供ではない。
それに明日も仕事があるのだ。
…少しでも休まなくてはならない。

…現実で生きるためにも。





その夜、僕は何故眠ってしまったのか…今でも少し後悔している…いや、いずれにしろ…いつかは眠らなきゃならないのだけれど…


夢の中で夢を見た。

そこは座敷だった。
田舎の実家を彷彿とさせる畳敷きの部屋の真ん中に、ちゃぶ台が一つ。

そこにはまたしてもガールの姿があった。
難しそうな…困り果てた顔をしている。

しかし何より気になったのは、そのちゃぶ台の向かい側に座っていた人物である。

…あのホテル絡みの人物ではあるが、彼は敵ではない。

見慣れた黄色い十字のマークが入った青い帽子。
暗闇を思わせる黒のローブの下、裸足で座布団に胡座をかいて座っている。…ちょっと行儀悪い…というか、オッサンくさい。オッサンだけど。

僕が何も言えず立ち尽くしていると、ボサボサの灰色髪の間から同色の瞳と目があった。

「おお!ようやく来はりましたな〜兄さん。どや、儲かってまっか?」
「…人の夢の中で何寛いでんですか…死神さん?」

ぼちぼちでんな、という返しを期待していたのだろうか…一瞬ものすごく寂しそうな顔をされたが見なかった事にした。

「…なんや…若いくせにノリ悪いなぁ…はぁ。まぁ、ええわ。はよこっち来て座り」
「…はぁ…」

死神さんに促されるまま隣の座布団に腰を下ろす。

「兄さんが遅いからもうこっちの嬢ちゃんには伝えてしもた…完全に二度手間だべ…何や、もしかして『お楽しみ』やったんか〜?」
「お楽しみだったの!?」
「違います。」

死神さんが文句とため息をつきながらエロい邪推をしてくる。なぜかガールも食いついてきたので毅然とした態度で否定しておく。

…なんでそんなに目を輝かせているんだ…

「…なんやツマランなぁ…そこは嘘でも、もうちょっと盛り上げる努力をして貰わんと…」
「ホントホント!」
「…え、ごめんなさい………?」

死神さんとガールの理不尽なブーイングに思わず謝ってしまった…が、ダメだ理不尽すぎて腑に落ちない…。

「…ところで、話って?」

用件を促す。

「…あぁ、せやせや。アンタにもちゃんと伝えとかんと…実はな…」

「実は…?」

真面目な顔になった死神さんはスッと伸ばした指を顔のそばまで持っていき…途中で人差し指を仕舞い、出来上がった拳をコツン、と額にぶつけてウインクした。小さく舌をだすオマケつきで。

「…わい…ウッカリしてやってもうた☆」

てへっ☆という擬音が付きそうな死神さんのポージングに、軽くイラっとしたのは僕のせいではないと思う。



−−−−−−−−−−−

まだ話が見えて こ な い!!

序章が長くてごめんなさい…
そして死神さんがエロ親父はいっててごめんなさい…はい、オッサン大好きです。ごめんなさい!
正直「てへっ☆」がやりたくて伸ばしたようなもんです。ごめんなさい。

何より前半空気だったガールの食いつきが…ゴシップに敏感な彼女でごめーんなさーい!!でも当サイトのガールはこんな感じです。

次からはホテルに戻ります。





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