読み物

□カラオケへ!
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「ドリンクバー、どうなさいますか?」
にこりと店員が微笑みつつ下の表を指差してマニュアルどうりの台詞を言う
「ん〜、皆ありでいいよね?」
「いいんじゃね?」
「じゃぁ、アリで」
半兵衛と政宗がちゃくちゃくと機種などを決めている中ほかの五人は少し離れたところで雑談をしていた
「知っておるか?竹中と長曾我部のカラオケでの歌うさまを」
声のトーンを少し低めて元就が天海と佐助に囁く
知りません、と天海が返すと元就は少し黙りこくったのち、さらに声を低めて言った
「長曾我部の奴は兎に角マイクを離さぬ、奴が歌い始めたときは最低五曲は連続して入れておるゆえ気をつけろ
竹中は・・・まぁ、何と言うか初めはバラード系の大人しい歌を歌っているのだが・・・ノッてくるとパンク等の激しい歌を歌い、しまいには吐血する」
うわぁ、と二人から声が漏れた
「厳しいですね、色んな意味で」
「奴等に一度付き合わされて連れて行かれた事があってな、それはそれは散々な目にあった・・・」
それならと佐助も続ける
「忘れてたんだけどさ真田の旦那って、ものっっっっそいオンチなんだよね
後、慶次は甘ったるい恋の歌しか歌わなくてなんかイライラする、しかも連投してくるんだよ!二人とも!!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「今回のカラオケ、凄い事になるかも知んないね・・・・」
三人が海よりも深い溜息をついていると部屋の番号を聞いた二人が戻ってきた
「ん?何々、何の話してたの?」
「・・・・この後みんな何歌うのかなーって話」
半兵衛はなぁんだ、と興味無さ気に返事をするとみんなに部屋番を伝えた
「うっし分かった、じゃぁ俺トイレ行ってから行くからテキトーにジュースいれといてくれよ」
そう言って元親はトイレの方へと少しばかり駆け足で向かっていった
すると、ドリンクバー用のグラスを見つめて元就が「わざわざいれてやら無くてよいのではないのか」と不機嫌そうに呟いた
だが、天海がそれを制止してグラスをトレイの上から取り上げ天使のような慈悲をたたえた微笑で一言
「いれてさし上げないのは余りにも元親が可哀想ですからここは・・・」

全ての種類をいれてさし上げましょうね?

その言葉を発する時にはグラスを取り上げた時の天使は何処へ行ったのか一転して悪魔のような陰のある笑み愉しそうにを浮かべていた
天海の言い放った言葉を聞いて同じく黒い笑みを浮かべた元就と半兵衛や直ぐに悪乗りしたがる信号機三人組プラス佐助は
即座にドリンクバーの方へ向かい悪魔の飲み物の制作に取り掛かった
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