キミボク・キラメキ・本屋サン

□その1
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もうすぐ秋になる。

そんな時ボクが出会ったのがキミだ。

そうしてそんな時にキミに惚れられてしまったのがボクだ。




「生野くん、今度雇う新人だけどねぇ、キミに育成を任せたいんだが…」
「育成…ですか。」
「いや、育成と言ってもそんな難しく考える必要はない。
キミが普段行っている業務を伝授してくれるだけでいいから。」

ボクはその後「はあ…」と気の抜けた返事だけ返すと、休憩室を後にした。


レジに戻ると、店内を見渡す事が出来る。
ボクは割とこの光景が好きで、ゆったり客注のチェックをしながら、雑誌の辺りをふと確認する。
「乱れてるな…」
ボクは独り言をぽつりと呟くと、レジを抜け、雑誌に近付く。
週刊誌に手をつけようとしたその時―

「生野さん。」

聞き覚えのない声に右隣りを見ると、見知らぬ男がボクの方を向いていた。
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