MAIN2

□笑顔でいて
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「あんなこと言っても、しずちゃんは何とも思ってないよ」


すぐに苦痛の表情に戻って・・・


「そう、私はどっちでもかまわないわ」


近づいてそっと彼を抱きしめたら、今では何も入ってないティーカップが床に落ちた。


あら、案外小さいのね。

と思うと同時にけたたましい音が響いて玄関のドアが壊れた。



「臨也から離れろぉぉ!!」


酷い騒音ね。

ドカドカと靴をはいたまま足を鳴らして入ってきた男の言うことを聞き、臨也から離れた。


誰が掃除すると思ってるのかしら。


「しずちゃん・・・」


顔を向ければ、驚いたように目を丸くした臨也がいた。



「臨也、俺のことが本当に好きなんだよな。」
「貴方は、嫌いなんでしょ」
「なっ!!あ、あれは違っ」

臨也に代わってすぐに切り返せば、面白いように彼は、あわてだした。



それに反するように暗くなる臨也。


あらら、大切な彼の否定の声は聞いてないわね。


どうせ、数時間前のことを思い出してるんでしょ。



何だかんだ言って彼は弱い。


いつも無理に気丈に振る舞っているだけで・・・。


「ごめん。しずちゃん。好きになって・・・」



必死に泣きそうになるのを堪えているのだろう。


唇にはうっすらと血が滲んでいた。



それに平和島静雄も気付いたのだろう。

今度は、動きがピタリと止まり、顔を青ざめさせた。



そして、オロオロと仕出す。


嗚呼、本当にじれったいわね!!



「貴方、臨也に言いたいことが有るんでしょ!!さっさと言いなさい。」


キッと睨みつけてやれば、一度下を見たかと思うと次の瞬間には、目に光りが宿っていた。



あら、少しはマシな顔も出来るのね。



知らないうちに口は弧をえがいていた。



これで私の役目は終わりかしら・・・?



ゆっくりと私が玄関に向かって足を進めたと同時に、彼は臨也のもとに足を進めた。



臆病な私の上司は、それに気づかない。








「好きだ!!臨也、愛してる!!お前が俺以外のものになるなんて許さねぇ!!」
「し、しずちゃん?!」





玄関を出ていく瞬間、告白とともにギュッと彼が臨也を抱きしめるのを見た―――――




私は貴方の幸せを願っていたのよ。なんて口に出して言ってやらないけど・・・






これからも貴方の幸せを願っているわ




なんてね――――?




 
________
大変遅くなってすみませんm(_ _)m

しかも明らかに甘甘じゃない・・・

ということで、おまけをいれて完結にしたいと思います!!

そこで甘甘に・・・

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