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4の続きの過去
ああ、駄目だ・・・
どうしてもシズちゃんの言葉が耳から離れない・・・
こんなことになるんだったら、盗聴器なんて仕掛けなかったら良かった・・・
そう思うも、もう後の祭りだ。
おかげでなんか変に意識してしまって、池袋にも行けない。
はあぁと大きくため息をついて机に突っ伏したところで来客を知らせるベルが鳴った。
誰だろ?
パタパタとスリッパの音をならしてモニターを見にいけば、見知ったヘルメット。
そうだ、セルティに仕事を頼んだった。
「今、開ける」
それだけ言って玄関に向かった。
******
『何かあったのか?やつれた顔をしてるぞ。』
やつれた顔・・・?
そういえば波江さんにも同じようなことをいわれたような・・・
「あはは、ちょっとね・・・」
苦笑いで返したら、『相談にのるぞ!!』と言われ(正確に言ったら書かれてたんだけどね)、頷いて正直に言うなんて・・・俺もそうとうパニクってたらしい・・・
結局、盗聴うんたらかんたら〜は除いて、しずちゃんが俺を好きかもしれないこと、と事実だったらどうすればいいかと言うことを話していた。
『それでお前は、静雄とどうなりたいんだ?』
そっとPDAに書かれた言葉に、俺は―――――
何も答えられなかった・・・。
その言葉は、セルティが帰っても心の中から消えなくて・・・
一生懸命考えても答えは出なくて・・・イライラして
俺らしくないと割り切って、この際おもいっきりこのネタでからかってやらうと俺は、池袋へ行った。
好きだって言ったらどんな反応するかな?
飛び跳ねて喜ぶのかな?
それとも、恥ずかしがりながら嬉しそうに笑うのかな?
なんとなく、楽しくなってきて、いろいろ想像してたのに・・・
「気持ち悪ぃ・・・」
だなんて・・・酷いんじゃない?俺のこと好きじゃなかったの・・・?
からかうだけで本当は好きじゃないはずだったなのに、なぜか心が痛い痛い―――と悲鳴をあげていた
「なら、どうしたらしずちゃんは俺を好きになってくれる?何でもするから」
「てめぇが死んだら、愛してやる」
なにかが壊れる音がした――――――
その時、初めて愛してるのだと気付いた
(苦しい片思いなんて、俺はしたくない)