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風呂場で、固まっていた俺と違って、新羅は、テキパキと臨也の診察をしていく。
俺は、臨也を抱き抱えながら、ぼんやりとその様子をみていた。
臨也の切られた手首からの血は、止まっていた。
血が流れていないことにひとまず安心する一方、自分の上着をかけ、抱きしめているのになかなか温かくならない臨也の身体に不安がましていく・・・
「新羅、臨也の身体が冷てぇんだ・・・」
死んでは、いない。
だけど、消えてしまいそうにみえる・・・
冷たい身体は、本当に二度と温かくならないかもしれない、と思ってしまう。
「静雄、落ち着きなよ。臨也は、大丈夫だよ、ただ血が足りなくて体温が維持出来ていないだけだから・・・念のためにと思って輸血パック持ってきたから臨也の寝室をかりて、早速やろう。臨也を寝室に連れてきてくれない?」
「わかった」
頷けば、さっさと新羅は、寝室へ向かった。
淡々とした新羅の口調は、俺に対してか、それとも臨也か・・・静かな怒りをあらわしていた。
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『静雄、ちょっといいか?』
「あ、ああ」
臨也と新羅が、寝室に入っていってどうすれば良いかわからず
ただ、呆然と中に入っていったドアの前に立っていた。
だから、正直セルティが、声をかけてくれて助かった。
それに・・・誰かに本当は聞いてほしかったのかもしれない。
『静雄、一体臨也とお前の間に何があったんだ?』
「・・・俺が、悪いんだ。俺は、あいつを信じれなかったんだ。」
そう・・・あの時、俺が素直にあいつを受け入れていたら、こんなことにはならなかった。
『もし違ったら、聞かなかったことにしてくれ。』
俺が、了承の意を見せると、再び速いスピードでPDAに、打ち込む。
『静雄、実はお前臨也のことがき好きなんじゃないのか?』
驚いた――――
まさか、気付かれているなんて思ってもいなかった。
「なんで、わかったんだ?」
その言葉だけで十分だったんだろう。
『やっぱりそうだったのか。』と返された。
『最初に気づいたのは、私じゃない。』
ということは、新羅か・・・
アイツは、よく見ているからな・・・
半ば答えがわかっていたから、PDAを見ずに俯いた。
トントンと叩かれる肩・・・
怪訝に思いながら、顔を上げるとPDAを突き出された。
「!!!!」
そこに書かれてあった名前は、新羅ではなく・・・
『臨也だ』
予想すらしなかった、自分の好きな相手だった。
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な、何?!
前・中・後 で終わらなかっただと・・・
すみません。管理人の計画ミスです(泣)
長くなってしまったので、中編に移動させました(>_<)