MAIN2

□ポッキーゲーム
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「おい、臨也。」
「うん?どうしたの?」

カタカタとキーボードを打つ手をいったん休めて、しずちゃんのほうを振り向けば、じー、としずちゃんは、テレビを見ていた。


「あのよう・・・えーと・・・」
「ん?」


歯切れ悪く、なかなか本題を言おうとしないしずちゃんに首をかしげる。


一体、どうしたんだろう?

仕事でかまってもらえないのがいやだとか・・・?


もう、そろそろ終わりにしようかな。



ぽちっとパソコンの電源を切る。


「臨也、今日が何の日か知ってるか?」
「え?今日?」
「おう」



あれ?今日なんかの日だっけ?

カレンダーをみても、11月11日と書いてあるだけでほかには何もない・・・


まさか、俺、大切な日を忘れてるとかじゃないよね。




「わかんないんだけど・・・何の日だっけ?」

「今日は、ポッキーの日だ!!」



なぜか満面の笑みでテレビを指差しながら、しずちゃんが言う。
そこには、いろんなポッキーの特集などをしていた。


そういえば、そうだ。今日ポッキーの日だ・・・。

きっとしずちゃん甘いの好きだから覚えていたんだろうなあ・・・


なんて、たわいもないことを考えて微笑む。


「そういえば、そうだったよね。でも、それが、どうしたの?」


とたんにその言葉を待っていましたとばかりに、しずちゃんが笑った。

そして・・・ごそごそと何かを探し始めたかと思うと

おもむろにポッキーを取り出した。


おお、すごい。
しずちゃん今日がポッキーの日だからってわざわざ買ってきたのかな?


「実は、臨也とせっかくだから・・・」

「せっかくだから・・・?何?」


わけもなく、いやな感じがする。


「ポッキーゲームしないか?!?!」


・・・ポッキーゲームってまさか・・・


「しずちゃん、合コンでするやつじゃないよね」


どうか違いますように・・・


そう祈るのもむなしく


「おう!!それだ!!互いにポッキーをくわえてやるやつ」


説明つきで返された。


やっぱりかの有名なポッキーゲームだったか・・・。

しずちゃんの目がキラキラしていていやだ・・。


この頃なんだか、しずちゃんが変態と化してきているような気がする。


言っとくけどいくら恋人同士でも俺は、やりたくないからね!!


「嫌だ!!」

「手前に拒否権はない!!」


一体いつの間に拒否権だなんて難しい言葉覚えたんだよ!!しずちゃん。


てか、拒否権なしって、ひどっ




ずんずん迫ってくる、しずちゃん。


片手にちゃっかりとポッキーをもって・・・


「あ・・・」


いつの間にか、後ろは壁になっていた。


俺の逃げる場所は、なかった。


「ほら、臨也、口あけろ」


にやり。

そう笑ってポッキーの端を差し出してくる。


くそう・・・。覚悟を決めるしかない。




俺は、仕方なくポッキーを咥えた――――――






今日は待ちに待ったポッキーの日!!




(一度はこれやってみたかったんだよな)
(てか、まじ臨也かわいい!!)

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