MAIN2
□嫉妬
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「シズちゃん!!」
「ツガルみて!」
そういって同時に試着室から臨也さんとサイケがでてきた。
彼らが試着したのは、色違いで、お揃いのフードが猫耳のようになったフード。
(俺と静雄で選んだ)
同時にでてきたのは同じところに二人で入って一緒に着替えていたからだ。
あんな、狭いところでよく着替れるなあ、とは思ったが仲良しの二人はこういうことをよくするから、たいして驚いたりしない。
それに、べったりの二人を見るのもほほえましいかぎりで、嫌な感じはしない。
まあ、静雄は、違うみたいだが・・・
・・・恋人の兄弟に嫉妬すんなよ。
「「どう?」」
そして、また同時に聞く。
「ああ、凄く似合ってる」
にっこり笑ってサイケの頭を撫でやると嬉しそうに擦り寄ってきた。
「ツガルは、かっこいいよ」
そういって、天使のような笑顔。
うん、やっぱりサイケが一番、俺のなかでは可愛い。
ふわふわした様子はまるで、うさぎのよう。
そんな、俺とサイケを臨也さんは羨ましそうに眺めている。
ほら、静雄も臨也さんを褒めたらいいのに・・・。
それに気付かないのか静雄は、ただ臨也さんを見つめるだけだった。
「し、しずちゃん、どう?」
とうとう、痺れを切らしたのか臨也さんがもう一度尋ねる。
「お、おう。・・・すげえ似合ってる///」
「本当!?」
ぱあっとせつなそうな表情から嬉しそうな顔に変わった。
「嘘言うわけねえだろ・・・。それに、てめぇは何着ても似合う。」
「////ぁ、ありがとう」
顔を真っ赤にさせて臨也さんは俯いた。
静雄は、その様子に機嫌をよくしたらしく笑顔になったのもつかの間・・・
「いざやくん、かわいい!!」
そういって俺から離れ、臨也さんに抱き着いたサイケに静雄は顔をしかめた。
「サイケのほうが可愛いよ」
なでなでとサイケの頭をなでる臨也さん。
二人の間にのほほんとした雰囲気がただよう。
あぁ、和むよなぁ・・・俺はそう思うのだが・・・静雄は気に入らないらしい。
思わず俺は、苦笑いをこぼした。
「おい。臨也お前は俺よりサイケのほうが好きなのか?」
「え?何言ってるの。俺が好きなのはしずちゃんだけだよ!!」
「じゃあ、俺のそばにずっといろ!!」
抱き寄せギュッと腕の中にとじこめる。
「あぅ、しずちゃん恥ずかしい////」