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□夢の中
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ごそっ
臨也のほうから音がして、話すのをやめ、新羅と顔を見合わせ・・・
(まさか・・・起きたのか?)
(臨也、起きちゃったかな?)
二人して同じことを考えていた。
目を向ければ、緩慢な動きで目をぱちぱちさせた臨也がいた。
「「臨也!!」」
気付けば、叫んでいた。
しかも新羅と同時に・・・
まねすんじゃねぇよ。
なんだか、気にくわなくて心の中で愚痴った・・・
「大丈夫か?」
焦点があっているのかよくわからない臨也に声をかける。
自然と臨也のほうに手をのばしていた。
てか・・・臨也の髪の毛マジサラサラで気持ちいい。
・・・て、は?
自分でしていることを初めて認識して、驚いた。
なんで俺、臨也を撫でてんだ?
以前の俺なら何とも思わなかったかもしれないが、臨也に対する思いを自覚してしまった今・・・なんだか恥ずかしくなてきた。
だが・・・こんなこと二度と出来ないかもしれないと思うとやめれなかった。
臨也が嫌がっていなかったこともやめない理由の一つだが・・・
「臨也?大丈夫かい?」
なんの反応を示さない臨也に今度は新羅が問い掛ける。
するとゆっくりと再び閉じようとしていた目が開かれた。
そして、起きようとしたのか・・・途中まで上げ、倒れそうになる。
俺は、急いで手をだし支えてやった。
俺だけじゃないというのは、気づかないふりをしよう・・・
まだ、熱い身体。
しんどいのだろう、
「一応、大丈夫」
と小さな声で返事し、夢の世界へ戻っていった。
その言葉に安堵し、俺も新羅もまたすぐに目を覚ますだろうと特に気にもとめなかった。
しかし・・・臨也は1日経っても、2日経っても・・・
起きてこなかった―――――――
(臨也・・・)
(目を覚ましてくれ・・・)