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□あたたかい
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嬉しそうに笑うしずちゃん。


優しく頭を撫でてくれるドタチン。


変なことを言ってみんなを笑わす新羅。


何かといろいろしてくれる波江さん。


みんなが、俺を取り囲んでいて・・・


俺は、幸せでいっぱいだった――――――





このまま、夢が現実になればいいのに・・・・・・


夢の中で、そう願った。







「だか・・・い・・・し」
「う・さい・・・・!!」
「・・お・る・・」
「・・・!!」




だれが、言い争ってるんだろう?




聞き慣れたような声で俺は、目が覚めた。


なんだか、しんどい。



重たい瞼を押し上げ、目を開くと白い天井が目に入った。





寝起き特有のぼー、とした空気が身をつつんでいて、思考がハッキリとしない。


えっと・・・

俺どうしたんだっけ?





「「臨也!!」」



名前を呼ばれ振り向けば、新羅としずちゃんが、いた。



言い争いをしていたのはこの2人か・・・



と醒めぬ頭で考えれば、しずちゃんが

「大丈夫か?」

と聞いて優しく頭を撫でてくれた。




ああ、あったかい・・・



初めてしずちゃんに撫でられた。



不思議と嫌な感じはしないのでされるがままになる。



「臨也?大丈夫かい?」



新羅にも問われ、再び閉じかかっていた目を開けた。



身体を起こそうとすれば、グラリと世界がまわった・・・


いや、俺が倒れたのか・・・。




すぐに二人が支えてくれた。





ああ、

これも夢か・・・



でないとしずちゃんが優しいわけがない。






「一応、大丈夫」




小さく答えてから、眠りの中に沈んだ――――――




(次、瞳に映る世界は・・・)
(どんなのだろう・・・?)

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