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□父親
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臨也は、不死身に近い身体らしい・・・



その事実に新羅は、驚くかと思ったがどこか納得したように頷いた。


「知ってたのか?」

「・・・知ってたと言うよりは、勘だよ。なんとなくそうじゃないかなって思ってた。臨也の怪我の治りがすごく早かったから・・・」

「・・・」

「確か・・・高校二年くらいからかな。目立ち始めたの」



高校二年って・・・

やっぱり俺が臨也の家に行ったあとか・・・




「静雄、他に臨也は何か言ってなかったの?」



他に・・・?



ああ、そうだ。


「失敗作って言ってたんだけどよ・・・」

「失敗作・・・?」

「おう・・・父さんの失敗作だってよ」

「・・・は?」


新羅の顔が訝しげな表情になった。



そうだよな・・・実の息子に実験するような人のに、臨也の親父、見えねぇもんな・・・



俺の頭の中にあるのは、優しそうに笑った臨也の親父だけだ。


俺が変えちまったんだよな・・・


酷い奴に・・・



怒っているはずなのに泣いているような臨也の顔が頭にはりついて消えない。





ふと新羅を見れば口を開こうとしていた。



「もしかして、静雄臨也のお父さんにあったのかい?」

「臨也に誘われて遊びに行ったときにな」


なんでそんなこと聞くんだ?


不思議に思いながらも隠す理由もないから正直に答える。



すると、新羅が寝ている臨也に小さく「ごめん」と呟いた。



今度は、何なんだ?


もう何度目になるかわからない疑問。


「先に言っておくべきだったなぁ。
静雄・・・自分を責めないでくれるかい?これは、僕の失態だ。」


後悔するように歪む新羅の顔。


自分を責めるな?

・・・たぶん、無理だ。



直感でそう思った。



「実は、僕の父さんと臨也のお父さんは、幼なじみだったんだ。
で、これは父さんから聞いたんだけど、臨也のお父さんは『大』がつくほどの研究好きらしくて父さんともよくそんな話をしていたらしい。
そして昔は、研究のためならどんな犠牲でもはらうような冷血な男だったらしいんだ。
でも、結婚して子供が生まれて・・・自分の本当の性格を隠すために研究に対する欲望を理性で抑えていたんだ。
絶対にばれないように・・・」

「もしかして、俺がそこに現れて、理性が切れたのか・・・?」





静かに頷いた新羅に俺は泣きたくなった――――――

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