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□新たな
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「新羅開けろ!!さっさと開けろ!!」


ドンドンと大きな音をたてて、玄関を叩く。



「はいは〜い」と、間延びした声とともに戸が開かれた。


「まったく、静雄そんなふうに叩いたら玄関が壊れるじゃないか。って、あれ?臨也どうしたの?!」


驚いたように・・・いや、実際に驚いて新羅が目を丸くする。



犬猿のなかと呼ばれている静雄が臨也をおぶっていたら、当たり前だろう・・・




「急いで臨也を診てやってくんねぇか?喧嘩してる途中に倒れて・・・ありえなねぇくらい熱いんだ、コイツ」


ここに寝かして、と促されるままに寝台に臨也をそっと横たえる。

「倒れたって、何かものが当たったとかじゃないよね。」



触診をしなが問い掛けてきた新羅に首をふる。



なぜだか、新羅の声が低い。



まさか、大変な病気だとかじゃねぇよな・・・


大変な病気じゃありませんように・・・



ひそかに手を組む。



「う〜ん。静雄、コート脱がすから手伝って。」
「おう」


俺が、臨也の身体を起こさせ、そのすきに新羅がコートをとる。


「何この傷!!」

突然新羅が声をあげた。


あぁ、腕にあったリストカットのことか・・・



先程、自分も同じように驚いた傷を思いだす。



いくら治りは、早いと言ってもある程度傷は残るらしくたくさんの跡があった。



「これ、静雄がやったの?!」



違う。

そう言おうとして新羅のほうを見た。


「は!?」


だが、彼が指差していたのは、手首ではなかった――――――――。







(どうして)
(こんなことに)
(なったんだ・・・)

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