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□謝罪
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謝り顔を上げれば、今にも泣きそうな臨也がいた。
抱きしめて、『泣かないでくれ』と言いたい。
だが、俺には・・・それすらする価値はないのだろう
ぐっと拳をにぎりしめた。
爪が皮膚にささる感触がする。
ああ、それでも俺の身体は何ともないのだろう・・・
自分の持つ力が憎い。
俺は、人を傷つけることしかできないこの力が・・・
「ごめんね、しずちゃん」
クシャリと臨也は顔を歪めた。
・・・は?
何で、てめぇが謝るんだ?
悪いのは俺のほうだろ?
そう言おうと口を開いた瞬間
「おい、臨也!!」
ふらり
臨也が、急に倒れた。
とっさに腕をのばし地面に倒れないよう抱き留める。
な、なんとか間に合った。
初めて抱きしめた臨也は、びっくりするほど、とても軽くて・・・
嫌な感じがするほど熱かった。
俺は、急いで闇医師をしている友人のもとへ向かった。
(ふと、袖から覗いた)
(大きな幾つもの)
(傷に)
(再び息をのんだ)