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□理由
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「俺の親は、俺のこと死ねばいいのにって思ってるから」
・・・は?
そんなのありえねーよな・・・
嘘だろ?
「しずちゃん、嘘だと思ってるでしょ。残念ながら、事実だから、実際に殺そうとまでしていたしね」
「殺そうと・・・?何でだ・・・?」
「しずちゃんの言う通り、うざいからじゃない?」
ははは、と口では臨也は、笑っているが冗談じゃない。
「そんなのが、理由じゃないだろ!!」
ガッと胸倉を掴む。
いつもなら、抵抗するのに、何も反応しない。
おとなしくされるがままになっている。
「はあ・・・失敗作だから・・・」
「失敗・・・作?」
「そう、失敗作。俺は、失敗作なの」
どこか、自分に言い聞かせるような口調。
前髪で顔が隠れ、どんな顔をしているのか俺にはわからないが・・・
また、苦しそうな顔をしているんだろう、コイツは・・・
「俺は、父さんの失敗作なんだ。だから、いらないんだって・・・」
父さんの失敗作・・・?
「おい!!どういうことだ!?俺が、会ったときはそんな風に見えなかったぞ!!」
瞬間
臨也が、カッと目を見開いた
「当たり前だろ!!しずちゃんが、父さんを変えちゃったんだから!!俺がこうなったのも、家族みんながおかしくなったのも全部、しずちゃんのせいだ!!!!!」
近づいた臨也の顔で、俺も胸倉をつかまれたことを知った
(俺のせい・・・?)
(臨也と父親の間に)
(一体、何があったんだ?)