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□意味
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「しずちゃん、俺は何のために生きているんだろう」
その問いに俺は答えなかった。
いや、答えられなかった・・・。
俺の頭に浮かぶのはたくさんの疑問。
どうして、そんなことをきくんだ??
もし、不死身だったとしても、てめぇの家族は、お前のことを愛してるじゃないのか?
だとしたら、お前の生きる意味はちゃんとあるだろ!?
「あ「ごめん、しずちゃんに聞いた俺が間違ってたよ」・・・」
言葉を遮り臨也がまくし立てる。
「おい、まだ何も言ってねぇだろ」
「いいよ、しずちゃんの答えなんかだいたい想像できるし。どうせ生きてる価値なんてない、っていうんでしょ」
違う!!
俺は、そんなこと思っちゃいけねぇ!!
「ち、違う!!」
「え?何言ってんの、しずちゃん?違わないでしょ。だって・・・俺にいっつも死ぬ死ね言うじゃん」
「そ、それは・・・ゎ、わからねぇけど、実際に死んでほしいわけじゃねぇんだ!!」
もやもやとした甘酸っぱさを含んだ気持ちが溢れてくる。
何なんだこれ?
とにかく臨也のせいには、ちがいない。
臨也に視線を戻すととても驚いた顔をしていた。
こんな臨也のマヌケな顔初めてみる。
なんだか、気まずくて急いで付け加える。
「そ、それに、もしてめぇが死んだらお前の親も悲しむだろ」
「・・・ああ、そういうこと」
急に臨也の目が死人のように何もうつさなくなる。
真っ白くにごった瞳。
目の前にあるのは美しい紅のはずなのに俺の目には、そうは見えなくて・・・
あいつが返した声は今までに聞いたことがないほど冷たかった。
「なんだ、しずちゃんが言いたいのは、そういうことか・・・。少しでも期待を抱いた俺が馬鹿だったよ。」
「・・・?」
どういうことだ・・・?
臨也は、何が言いたいんだ?
「大丈夫だよ、心配しなくても。俺の親は俺のこと・・・」
その後続けられた言葉に俺は・・・臨也の表情の意味を知った――――――――