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「好きだ・・・」
!!どこかで何かが、はじけた。
頭を駆け巡るのは、さまざまな記憶。
それは、夢で見たのと同じものだった。
さっきまでは、何なのか分からなかったはずが、今では、パズルのピースをはめたような感覚でだんだんと、頭の中が埋まっていく。
あぁ、全部思い出した・・・
そうだ、
「し・・ず・・ちゃん・・・」
・・・だ!!!
俺の鼓膜を震わせたのは懐かしい響き。
「臨也・・・?」
驚いて、俺は、臨也を眺めた。
・・・さっきのは、聞き間違いじゃねえよな?
確かに、記憶のある頃のように・・・
「しずちゃん!!」
今度は、はっきりと聞こえた。
ああ!!やっぱりそうだ!!
臨也の瞳は、しっかりと俺を映し出している。
他人を見る目じゃねぇ。
嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい嬉しい!!
「好きだ、臨也。愛してる」
馬鹿な俺の脳は、感情のままに動く口を止めなかった。
・・・やべ、つい言ってしまった。
なんだかんだ言っても嫌われたくは、ない。
そもそも、俺とあいつは今まで喧嘩しか、してこなかった。
急に喧嘩相手に告白されても困るだろう・・・。
さっき、したじゃないか?って言った奴・・・潰すぞ!!
あれはカウントしねぇに決まってるだろ・・・
つまり、なにが言いたいかというと・・・
今、俺の心臓はありえないほど、バクバクしている。
ここまで、きたら返事を聞かなぇわけがねえ・・・。
「て、てめぇは、ど、どう思ってるんだ?」
カアアァ、と顔が赤くなるのが自分でもわかった。
真剣な瞳で臨也を見れば・・・奴は、俯いていた。
だめ・・・そうだな。
そう思ったが・・・