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俺はとても不思議な夢を見ている―――――
俺は、誰かにナイフを向け挑発するように笑う。
相手は、青筋までうかべて、怒ったかと思うと自販機に手をかけ、持ち上げた。
・・・あれって持ち上がるものなのか?
俺の知っている範囲では持ち上がらないはずだ・・・。
・・・さすが夢の中
はは、面白い!!!
・・・チクリ。
痛い・・・。
そんなことを考えていると自販機がこっちに飛んできていた。
まるで自分のものではないように、体が勝手に“ひらり”と避けた。
そして、一言
「ばいばい、*****!」
そういうとすぐにダッシュする・・・。
言われた相手は、必死に俺を追いかけてきた。
ああ、何やってんだ、俺?
金髪が光った気がした――――――――。
「おい、臨也入るぞ。」
一応声をかける。
返答なし。
やはり寝ているらしい・・・。
ガチャ。
ならべく、音を立てないように気をつけてドアを開けた。
・・・は?
しかし、そこには予想したものとは違っていた。
目に映るのは、寝ているにしては、おかしい・・・コートを羽織ったままの臨也の姿。
しかも彼がいるのは、ベッドではなく床だった。
「おい!臨也!」
急いで彼のもとへ駆け寄った。
安否を確認するために顔にかかった髪を払う。
・・・ん?
俺は臨也の顔を見て驚いた。
・・・お前・・・なんで泣いてるんだ・・・?
今も、キツク閉じられた瞼からは、透明な雫が流れ頬を伝う。
臨也の頭を抱えた俺の手は、すでに濡れていた。
「 」
微かに唇がふるえ音のない言葉が臨也の口からこぼれた。
そして、また薄く開かれる。
次こそは、聞き逃がさないように耳を近付けた。
「シ・ズ・・・ちゃ・・・ん」
やわらかい唇が耳たぶをかすめる。
しかし、俺はそんなことには少しも気付かないほど動揺していた。
(あいつが泣きながら呟いたのは・・・)
(記憶があったころによく言っていた)
(俺のあだな・・・)
(・・・・・・)