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静雄視点
ガチャガチャ。
バキッ。
嫌な音とともに玄関の扉がはずれた。
開けてねえ、のが悪い・・・。
そうういいわけすると中に入った。
シーンと静まり返った部屋。
あいつ出かけやがったのか?
一時間前にかけた電話を思い出し唇をかむ。
何が、誰だかわからない?
いつ知り合いましただあ?
記憶をなくす前々までは、あんなにも付きまとってやがったくせに・・・。
勝手に忘れるなんて・・・
「おい!!臨也いねぇのか、おい!!」
「・・・・・・」
やはり、なんの音もない。
・・・・・・クソッ。
ガンッ!!
ぱらぱらと、壁にひびが入り粉が舞った。
だが、俺の手はほんの少しの痛みも感じない・・・。
なあ、俺が、怪物だから・・・人間じゃないから・・・駄目なのか?
人間だったら・・・俺も・・・愛されたい人に愛されたのか・・・?
なんで・・・大切に思った人は・・・俺の前から消えていくんだ―――――――
おい・・・臨也・・・お前は、俺の前から消えるなよ――――――
(臨也・・・・・・)