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静雄視点





すでに日がのぼった池袋を歩く。
まわりにはたくさんの人。
いつも通りに皆、俺をさけていく・・・。

変わらぬ日常・・・

変わることのない景色・・・


そのはずなのに、俺には全てくすんで見えた。



ああ・・・あいつの存在はこんなにも大きかったんだと改めて気付かせられる。



あいつだけが、俺の力を見ても、さけずにしかも歯向かってきた。


あの時は内心すごく驚いた。

そして嬉しかった。

俺にも、他の人間と同じように対等な存在があると分かって・・・

それは長年、俺が求めていたもの。



まあ、あの時はさすがに近い未来、好きになるなんて思いもしなかったが・・・




なあ、臨也お前はもう俺を探してくれないのか・・・?





池袋に来ては、あいつが俺をこっそり探していたのは知っていた。


見つけたとき偶然俺に見つかったように振る舞っていたのも・・・



ただ変に勘違いしてしまいそうで・・・気付かないふりをしていた。




だけど、こんなことになるなら・・・気持ちを伝えておけばよかったと後悔する。



今では望みゼロじゃねぇか・・・。




でも、やっぱりそう簡単に諦められねえ。


記憶を無理矢理でも思い出させてやる。


そうすれば最悪でも今までと同じとはいわなくてもお前の中に俺のことを残すことが出来るだろ、臨也。




俺は体の向きをかえた。
目的地は・・・



(もしもし、新羅か・・・)
(記憶の取り戻しかたを教えてくれ)
(本当はあいつのことが・・・)
(好きなんだ)
 

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