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急に、にっこりと笑う新羅。
嫌な予感がする。
「それなら良かった。実は、臨也さあー静雄のことだけ記憶にないみたいなんだ。」
は?俺のことだけ?全てじゃねぇのか?・・・
記憶喪失だろうとは思っていたが・・・俺だけ・・・?
良かった?・・・どこが・・・?
「静雄、これで、やっと臨也から解放されるよ。
毎日毎日うざいって言ってただろう。嬉しいんじゃない?」
嬉しい・・・?そんなのあるわけがねえ・・・
うざいだなんて嘘に決まってるだろ・・・
「もっと喜んだら?」
表情を変えない俺に新羅が言う。
「でもよぉ、この力が消えないかぎり・・・あいつは、また追っかけてくるんじゃねぇのか?」
その言葉に、さらに新羅は笑みを深くした。
(そうであってほしいと)
(期待を込めて言葉にするが)
(かえってきたのは)(満面の笑顔)