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静雄視点
「静雄いらっしゃい」
そう言って奥からでてきたのは、俺を呼んだ張本人 岸谷 新羅だ。
「おい、どういうことだ。新羅」
臨也を指差して言う。
人を指差すとか本当礼儀がないよねぇ。と臨也が言ったのがきこえたが、無視だ無視。
キレそうになるのを堪える。
「臨也、彼は僕の友人だよ。ちょっと用事があって来てもらったんだ。向こうで話してくるね。」
「そうなんだ。じゃあ俺はもう帰るよ、大分良くなったし」
そういって臨也は帰った。
改めて新羅とむきあった。どういうことだ・・・と再び問うとやっと口を開いた。
「ねえ、静雄は臨也のことをどう思ってるの?」
全く関係のない問いに、苛立ちがつのる。
「俺が、聞きたいのはそんなことじゃねえ」
「いいから。先に答えて」
珍しく真剣な顔をした新羅は冗談を言っているようではなかった。
「・・・俺は・・・俺は、ノミ蟲なんか・・・嫌いだ。」
「・・・そう」
違う、違う、俺は、臨也のこと嫌いじゃあねえ・・・
「静雄、本当に?」
「・・・当たり前だろ」
うそだ、嘘なんだ新羅。嫌いじゃあねえ・・・好きなんだ。 俺は、あいつのこと好きなんだ・・・