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いざや

イザヤ

臨也・・・


お前は、どこにいるんだ・・・?





  ******

中学校を卒業して一週間ぐらいたった時だったか・・・


突然俺は、頭が割れるように痛くなって、バタリと倒れた。


何故か普通の頭痛じゃないと本能が告げていて、怪力の次は何がくるんだ?と思いながら・・・





「兄さん」
「静雄、大丈夫か?」

目を覚ませば、津軽と幽の心配そうな瞳とぶつかった。


倒れたのは、リビングの固い床の上だったはずなのに、何処も痛くない。


そこで気付いた。

ベッドに移動してくれたのだと。

「大丈夫だ」
それだけ言って起き上がった。


何だ、これ・・・?

一気に年をとったような・・・不思議な感覚がする。


「良かった。なんとも無いみたいだね」

いつもの無表情の・・・だが、どこかしら憂いを帯びたような顔の幽・・・

それが、大人の幽の顔と重なる。

ん、大人・・・?


頭に思いうかんだものに疑問を覚える。

だって、俺は、未来にでも行かないと限り、大人の幽なんて知らないはずだ・・・



『しずちゃん・・・』


突如、懐かしいあの愛しい声が頭の中で響いた。



懐かしい・・・愛しい・・・?


意味がわからなくて呆然とした・・・

その瞬間、沢山の映像とともに、胸の奥に潜んでいた思いが急にあふれだした。



隣で楽しそうに笑うあいつの笑顔

怒ったときの頬を膨らませた時の顔

泣いたときの可愛い表情


あの切なそうに細められた瞳


携帯に残されたメッセージ―――――




「臨也・・・」



ああ、そうだ・・・



今、すべて思い出した。



思わず頬が緩む。


隣を見れば津軽は、不思議そうにしていて幽は驚いたように瞳を丸くしていた――――――





甦った過去の想い――――




(何としてでも臨也)
(お前を見つけだしてやる!!)

一人青空に誓った


 

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