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いざや
イザヤ
臨也・・・
お前は、どこにいるんだ・・・?
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中学校を卒業して一週間ぐらいたった時だったか・・・
突然俺は、頭が割れるように痛くなって、バタリと倒れた。
何故か普通の頭痛じゃないと本能が告げていて、怪力の次は何がくるんだ?と思いながら・・・
「兄さん」
「静雄、大丈夫か?」
目を覚ませば、津軽と幽の心配そうな瞳とぶつかった。
倒れたのは、リビングの固い床の上だったはずなのに、何処も痛くない。
そこで気付いた。
ベッドに移動してくれたのだと。
「大丈夫だ」
それだけ言って起き上がった。
何だ、これ・・・?
一気に年をとったような・・・不思議な感覚がする。
「良かった。なんとも無いみたいだね」
いつもの無表情の・・・だが、どこかしら憂いを帯びたような顔の幽・・・
それが、大人の幽の顔と重なる。
ん、大人・・・?
頭に思いうかんだものに疑問を覚える。
だって、俺は、未来にでも行かないと限り、大人の幽なんて知らないはずだ・・・
『しずちゃん・・・』
突如、懐かしいあの愛しい声が頭の中で響いた。
懐かしい・・・愛しい・・・?
意味がわからなくて呆然とした・・・
その瞬間、沢山の映像とともに、胸の奥に潜んでいた思いが急にあふれだした。
隣で楽しそうに笑うあいつの笑顔
怒ったときの頬を膨らませた時の顔
泣いたときの可愛い表情
あの切なそうに細められた瞳
携帯に残されたメッセージ―――――
「臨也・・・」
ああ、そうだ・・・
今、すべて思い出した。
思わず頬が緩む。
隣を見れば津軽は、不思議そうにしていて幽は驚いたように瞳を丸くしていた――――――
甦った過去の想い――――
(何としてでも臨也)
(お前を見つけだしてやる!!)
一人青空に誓った