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「あ〜、そのことなんだけど、実は君もう転生することになってるんだよね」


・・・は?転生?

それってまさか・・・

「生まれ変わるってことですか?」
「うん、今すぐにね」



あっさりと言われた言葉に泣きそうになった。


これじゃぁ逢えねぇじゃねぇか・・・

やっと、逢えると思ったのによ。


はぁ・・・と大きくついた溜息が虚しい。


「静雄くん、落ち込むにはまだ早いよ」
「どういう意味ですか?」

閻魔大王様の声にガバリと顔を上げた。


「臨也くんも一緒に転生だよ。ていってもたくさんある鏡から自分の転生先を決めるから君の選び方次第で同じ世界に生まれ変わるか、そうでないか決まるんだけどね」


そういった閻魔大王様は、面白そうに笑っていた。



まぁ、少しでも逢える可能性があるのなら、無いよりかましだ・・・。



「もう、先に臨也くんは転生してるから、急いだほうがいいよ」そう急かされ、転生部屋へ連れていかれた。





*******


鏡、鏡、鏡の山。


周りを見渡しても鏡だけ・・・


連れて来られた転生部屋には、数えきれないほどの鏡があった。


しかし、微かに香る臨也の臭い。


スタスタと迷いなく一番臭う鏡のもとまで歩く。


鬼が驚いたような顔をしたのに、気が付いた。



「そこでいいの?」

優しく微笑んで聞いてきた閻魔大王様に大きく頷き返す。



間違いねぇ、ココだ。



「じゃあ、その鏡に手を突っ込んでごらん。あとは、自然と吸い込まれるから」



バクバクとうるさい心臓の音。


そぉと、鏡に手をつけて押せば、中に入った。



――――と、突然見えない力に鏡の中に引っ張られた。



「うおっ!!」

驚いて体勢を崩したまま中に吸い込まれる。




最後に見たのは、閻魔大王様と鬼が手を振っていた姿だった。





「幸運を祈る」


そんな声が聞こえたような気がした―――――





選んだのはあなたのいる場所・・・





 

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