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「えっと、君が平和島静雄君だね」
「・・・」
閻魔大王様が待っているといわれ鬼に連れられて、通された場所には若い男がいた。
えっと、これって閻魔大王様なのか・・・?
どう見てもと恐そうにみえない。
どちらかというと弱そうか・・・?
明らかに昔、テレビや像、絵で見たものとは違いすぎていて、困惑する。
しかも頭に、大王と書かれた大きな変な被り物を付けていて妙に似合ってはいるが、胡散臭い・・・
「え?ちょっと聞いてる?」
「あ、はい、すみません。えーと、閻魔大王様ですよね?」
不思議に思っことを素直に聞けば、閻魔大王様(仮)のとなりにいた俺を連れてきた鬼がなぜか、爆笑してる・・・。
あれ・・・俺変なこと言ったか・・・って、めっちゃ失礼なこと言った!!
いまさら、自分が何と言ったのか気づき、青ざめる。
これで、機嫌を損ねて地獄行きになった。とかだったら、マジで笑えない。
「・・・静雄くん、俺は正真正銘の閻魔だよ。って、ちょっと鬼男くん笑いすぎ!!」
「すみません、大王。あまりにもおかしかったので(笑)」
「(笑)って・・・俺、鬼男くんに馬鹿にされてる?」
想像していたお叱りは来ず、ポカンと口を開き鬼と閻魔大王様の様子を見てしまった。
テレビなどで聞いた閻魔大王とは、性格まで違うみてぇだ・・・
ひとまず何も怒られそうに無いことにホッとした。
******
「あ、そうそう、静雄くん何か質問はある?」
・・・質問?ああ、そうだ
「あ、あの、折原 臨也は天国か地獄かどっちに行ったんですか?」
「ああ、君の恋人ね。彼は、天国だよ」
ニッコリと笑って返された。
良かった。あいつは天国か・・・。
って、まて!!
なんで臨也が俺の恋人って知ってんだ?!
驚いて目を丸くした。
「俺は、こう見えても神だよ。そのくらい知ってて当然だよ」
悪戯っ子のように笑った閻魔大王様に、なるほど・・・と感心する。
「あの、もう一つ聞きたいんですけど・・・」
「何かな?」
緊張している心を落ち着かせるために、すぅ・・・と静かに息を吸った。
「俺は、天国か地獄どっちに行くんですか?」
これで俺は臨也に会えるか決まるのだ。
臨也・・・俺は、お前に逢いたい―――――
閻魔大王様の口が開かれるのを祈るような気持ちで見ていた・・・
あって、お前を抱きしめたい・・・