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□序章
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知ってるか?臨也。
俺達の同級生のなかで一番長生きしたのは、新羅なんだぜ。
なんでも、セルティをおいていけないらしい・・・
俺は、結婚してねぇけど幽は結婚して可愛い子供ができた。
おじさん、おじさんとよばれた時は、一気に老けたように感じたもんだ。
あ、そうだ池袋は、お前がいなくなってからだいぶん変わった
見たらきっと驚くぜ
そっちへ行ったら、沢山教えてやるからな
ああ、やっとこれでお前のもとにいける
もう、これが最期だということが静雄にはわかっていた。
この長いような短かったような86年間。
泣いて、笑って、悲しんで、喜んで・・・
精一杯この生涯を生きた。
本当なら、臨也、お前が隣にいてほしかったけど・・・
まぁ、やり残したことはない。
静雄は、ゆっくりと目を閉じた――――――
みんなに見守られながら彼は、静かに永遠の眠りについた――――――
恋人からの最期のメールがはいった携帯を大事そうに抱えて――――――
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死後の世界は、本当にあるみたいだ・・・
大きな門の前に立って、静雄はどうするべきか悩んでいた。
気付けば、容姿は死んだときのものではなく、若かったころの姿になっていた。
服も懐かしいバーテン服になっている。
「あの、平和島 静雄さんですよね」
声をかけられ驚いて振り向けば、頭に角をはやした赤褐色の肌の青年がいた。
角が、生えてるってことは・・・鬼か?
不思議に思いつつも頷けば、青年は笑みを見せた。
「良かった、すぐみつかって。閻魔大王がお待ちです。ついて来てください。」
え、閻魔大王ってあの閻魔大王か?!
死者を裁くという閻魔大王が頭をかすめた。
冥界にようこそ