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□愛の言葉
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臨也視点
しずちゃんが、もどって来たらちゃんと理由を言って、謝ろう。
しずちゃんは、どんな反応をするんだろう?
ああ、しずちゃんは俺から見ると一体何を考えてるかわからない。
ドキドキと心臓がうるさい。
「ど、ドタチンしずちゃん嫌がらないかな?」
やっぱり怖くなってドタチンの服の裾を引っ張って言えば、笑われた。
「大丈夫だ。逆に静雄は凄く喜ぶと思うぞ」
「だと良いな・・・」
「大丈夫だ」
そういって撫でてくれたドタチンの手は、温かかった。
少しドタチンが苦笑いしていたのが気になるけど・・・
「臨也、入るよ」
軽いノック音とともに新羅としずちゃんが、入ってくる。
ほらっと言って新羅が、しずちゃんを俺のほうに背をおした。
バクバクとうるさい心の音に集中しすぎて、しずちゃんが目の前まで来ていたことに気づくのが遅くなった。
「臨也、悪かった。あんな言い方して・・・」
しゅん、とうなだれるしずちゃんに急いで声をかける。
だってしずちゃんは、悪くない。
「お、俺こそ勘違いさせるようなことしてごめんね。実は、あれは、わざとしたわけじゃないんだ。理由があって・・・しずちゃん・・・聞いてくれる?」
「おう、聞いてやる。俺自信それを知りてぇ」
そういって、しずちゃんは、優しく笑って、ドタチンみたいに頭を撫でてくれた。
それで、俺はパニックを起こした。
まさか、そんなふうにしてくれるなんて思わなくて・・・
ドタチンにならこんなことおきないのに・・・
焦って・・・
恥ずかしくて・・・
嬉しいくて・・・
心臓が口から飛び出しそうなほど早鐘をうっていて・・・
顔に血が上って・・・
頭がぐるぐるして・・・
「お、俺、実は、しずちゃんのことが大好きなの!!」
あ・・・間違えた・・・
何度も心のなかで練習したのとは、違うことを言っていた。
目の前にいる新羅とドタチンが目を丸くして驚いていて・・・
しずちゃんだけが、嬉しそうに笑って、俺を抱きしめていた――――――
彼の腕の中の温かさに、心がはじけそう・・・