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□不安
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ドタチンとしずちゃんは、みんなが帰った後も残ってくれた。
仲の良いドタチンだけじゃなくて、しずちゃんまで残ってくれたのが、
なんだか、すごく嬉しくて、俺は、柄にも無く、ドキドキしていた。
もしかしたら、俺が変わってしまう前のように、仲良くしてくれるかな?
なんて、思ってしまって・・・
もし、そうなったら凄く幸せだなぁって、空想に浸りながら、ドタチンや新羅と会話していた。
そして、しずちゃんに、話しかけようとして俺は・・・
しずちゃんが、顔を下げて、辛そうな、苦しそうな顔をしていることに気づいて固まった。
まさか、しずちゃんがそんな顔をしているなんて俺は、思いもしなかった。
しずちゃんは、昔の頃のように、俺達の話しを聞いて笑っているかと思ってた。
楽しかった頃の景色が広がっているかと・・・
だけど、神様は、そこまで優しくないらしい・・・
しずちゃんは、どうみても楽しそうにしていないのは、明らかだった。
もしかして、新羅か、ドタチンに頼まれて、本当は、嫌々ながらも来たのかな?
すると、さっきの言葉も・・・?
そう想うと、とても哀しかった・・・
やっとしずちゃんと仲良くなれると思ったのに・・・
でも、もしかしたら勘違いかも知れない・・・
聞きたいと思う反面、拒絶されるのが、とても怖かった―――――
「臨也、どうしたんだ?!」
ドタチンの焦ったような声で、目の前が潤んでいることに、気がついた。
ああ、俺は、一体どうしたんだろう・・・?
俺は、しずちゃんを見るたび胸が締め付けられるような気がした。
ドタチンの言葉に驚いたらしい、しずちゃんが、こっちをみて、目を丸くし、驚いていくのを、
俺は、何も言わず、じーっと眺めていた。
跳ねる鼓動は、止まらない・・・
いつになれば、その感情の意味を知るだろう?