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□拒絶
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辛そうな顔から、どんどん心配と焦りの混じったものとなっていく・・・。


俺は、そのしずちゃんの変化をジーと見つめていた。


どうして、しずちゃんがそんな心配するような顔をするのか、分からない…


しずちゃんは、俺のこと嫌いじゃないの?

どっちなの??


でも、嫌いじゃなかったらいいな…と思う自分がいた。



「臨也どうしたの?どこか痛むの?」

新羅の声で、ハッと我に返った。


「あ、大丈夫・・・」
「本当か?」


 パシン





「あ・・・あ、ごめん」


伸ばされたしずちゃんの手をなぜか、叩いしまって驚いた。


途端に、泣きそうになったしずちゃん。


部屋が、静まりかえった。



ああ、また俺は、なんでこんなことをしちゃたんだろう・・・





そう思うのと同時に、本当は、理由を気づいていた・・・



だけど・・・知らないふりをした。




何かに気づいて変わって自分が、傷つくのが怖かったから・・・




失ったら、堪えられなくなっちゃうから

離せなくなるから

しずちゃんの優しさになれるのがこわいだなんて・・・





「だよな・・・どうせ・・・」
「しず、ちゃん?」

沈黙を破ったのは、しずちゃんで・・・


その声の低さに、身が固まった。



「どうせ、俺達は、馴れ合う存在じゃないって言いたいだろ。」
「ち、がう・・・俺は、そんなつもりじゃ・・・」

言えるはずがない、失うのが怖くて、しずちゃんの優しさに慣れたくない。だなんて・・・

「違わないだろ・・・だって、俺とお前の間には、いつも壁があるだろ!!」
「・・・壁・・・?」

呆然とした。

前は、あったような気がしたが、今、俺としずちゃんの間に壁があるなど俺は、考えたことがなかった。


どこかで繋がってると思ったのに・・・




俺達は、こんなにも遠かったんだ・・・




いつのまにか、止まっていた涙が、再び流れてきた。



それを見て、しずちゃんが、うろたえる。

どうせ、突き放すなら、期待させないでよ・・・

「俺は、しずちゃんとまた、仲良くなりたかった・・・壁が、あるなんて、思わなかった・・・」


俺だけが、そう思ってたんだ・・・



悲しいな・・・


気づきたくなかったのに・・・


しずちゃんのことが、やっぱり好きなんだって・・・



気づいちゃったじゃないか・・・

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