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□愛
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いつの間にか、クルリとマイルは、眠っていていて、ドタチンが静かに近づいてくる。



「臨也、みんなお前のことを心配してたんだぞ」



わしわしと門田に頭を撫でられた臨也は、ぽかんとした。



どうして?

みんな俺を嫌ってるんじゃないの?



そして、周りをぐるっと見回し、目を見開いた。


「ココにいる、みんなが・・・?」


ぽつり、とこぼれた言葉にみんなは、苦笑いを浮かべた。



臨也は、わかっていないのだ・・・


たとえ、彼の両親が彼を嫌っていたとしても他のみんなが


臨也を愛していることに・・・




「臨也、お前がいなくなったら、沢山の人が悲しむだぞ。」


悲しむでくれる?・・・
ドタチンが言わんとしていることの意味を理解して、心が、゛ほわぁ″と温かくなった。


でも、今まで両親に存在を否定され続けたこともあり、素直に信じられない。




「で、でも、俺は・・・ば、化け物なんだよ?」


ぐしゃりと歪む臨也の顔。


痛々しい表情・・・。



「違う!!」


すぐさま、大きく叫ばれた声に、ビクッと臨也は、肩をゆらした。


この声は・・・

しずちゃん?


声がしたほうに顔を向ければ、少し怒った顔のしずちゃんと目があった。



ずんずんとこちらに歩いてくるしずちゃんが、近づくたびなぜか心臓がドクドグとせわしなくうごく。


「しずちゃん?」

「そんなこと言うんじゃねぇ。」


静雄は、みんなが見ているのを気にもとめず、優しく臨也を抱きしめた。


ああ、しずちゃんの香りがする。

余計に心臓がバクバクとうるさくなった。


「よく聞いとけよ。俺達は、お前のことを化け物だなんて、これっぽっちも思ってねぇ。たとえ、本当にそうだったにしても、俺は、認めねぇ。俺達は、お前の両親とは違うんだ。お前の本当の姿を見て言ってんだよ。」

「俺達は、お前のことが大好きなんだよ」


しずちゃんに抱きしめられて、ドタチンは、頭を撫でてくれて・・・


しずちゃんとドタチンの言葉が、心の中に染み渡るように広がった。



俺の周りには、たくさんの人がいたことに気が付いて・・・


あたたかいもので俺は、満たされていて



俺は・・・

静かに涙を零していた―――――





みんなから愛されていることを知りました




 

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