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□目覚め 前
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「臨也!」「臨也さん」
どこか遠くで
しずちゃんが、ドタチンが、新羅が、帝人くんが、波江さんが・・・
みんなが俺の名前を呼んでいる。
だけど、ここは、あたたかくて、目を開けたくなかった。
それに、この呼ばれているように感じる声だって、現実のものではなくて、俺がつくりだしたのかもしれない・・・
だって、ここは・・・
俺の創りだした世界なんだから
『あたたかい』けど真っ黒な影が俺をより一層深く包んだ―――――
みんなの声が小さくなったよりな気がした・・・
嗚呼、いつになれば俺は、此処から抜け出せるかな・・・?
「臨兄!!おいていかないで」「一人にしないで、臨兄!!」
この声は!!
懐かしく、大切な声が
響いた――――――
嗚呼、忘れてた
俺は、淋しがり屋の彼女達のために
二人のそばに、いなくっちゃ・・・
俺は、黒い影から
光のほうへ
手をのばした