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□思い
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門田、波江、四木、帝人、杏里、正臣、狩沢、遊馬崎、サイモン、幽・・・
全員で一体何人だろうか?
沢山の人が新羅の家に集まって、臨也の様子を見ていた。
みんな急いで駆け付けてくれたらしく、ほとんどの人が雨に打たれ濡れていた・・・
「起きてください!!臨也さん」
「ほら、起きる時間よ!!」
「臨也さん!」
「仕事が溜まっていますよ」
「イザイザ」
・
・
・
ときどきピクリと反応する。
しかし、門田の時と同じように・・・ただ、それだけ
どれだけ皆が声をかけても臨也は、起きてくれない・・・
部屋中に臨也を呼ぶ声が響いていた。
お願いだ!!
起きてくれ!!
何度も何度も・・・そう願う・・・
かたく握り締めすぎた手のひらは、うっすらと血がにじみ出ていた。
「静雄・・・」
視線を感じ、隣を見れば新羅が泣きそうな顔でこちらを見ていた。
新羅は、医者として、友人として・・・
どうすればいいのかわからず、何もできないのが悔しかった。
もどかしい焦燥感のようなものが体中を駆け巡る。
「静雄、もし臨也がこのまま
「新羅・・・必ず臨也は、起きる!!」」
わざと大きな声で、確信を持ったような声で・・・静雄は言った。
驚いたような新羅の瞳とガツンとぶつかる。
確信なんてどこにもない。
すごく不安だ・・・
だが、医者の新羅が『起きなかったら』なんて言われたら本当にそうなるように感じて絶対に言わせたくなかった。
言って欲しくなかった・・・
「そうだね。臨也すぐ起きるよ。きっといつものように馬鹿にしたような笑みを貼り付けて・・・。」
そうだ・・・。
静雄は、本当は僕よりきつく感じているんだろう・・・
自分が好きな人が大変なことになっているんだから・・・
誰よりも必死な顔で、臨也をみる静雄がどんな感情を持っているかなんて、すぐに気がついた。
医者の私がシャッキとしないといけないのに・・・
僕は何をしようとしていたのだろう・・・?
臨也は、絶対に助ける!!
「ありがとう、静雄」
「・・・おう」
にっこりと笑顔を浮かべる新羅。
それは、それはこの頃ずっと浮かべていた辛そうなものではなく、心のそこからの笑顔だった――――――――
(臨也、さっさと起きろ)
(待っているやつはたくさんいるんだ)