キリリク

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あいつにとって、俺は、何なんだ・・・?


俺は、屋上からもどるとすぐに、自分の席に突っ伏した。


イライラとした気持ちがおさまらない。


それと同時にとても泣きたくなった。


「静雄、どうしたの?臨也と話してきたんじゃないの?」

ポンと肩に手おき、不思議そうに新羅が、問いかけた。

状況が、よくわかっていない、と言ったところか・・・。

本当は、一言でも話そうとすれば、感情が高ぶって、叫びだしそうだから何も言いたくなかった。


だが、心配そうにこちらを見る新羅にそれでは悪いだろう・・・



「会って、告白してきた」

「そうだったんだ!!答えは?」


キラキラとした瞳でまた新羅が聞く。


お願いだから、そんな期待するような顔をしないでくれ・・・


「付き合ってもいい。それだけ言われた。」

「へぇ!よかったじゃないか!!」



良い?どこがた!!
あの噂が本当だってわかっただけじゃねぇか!!


「臨也がそんなこと言うなんてなぁ・・・で、もちろん付き合うんでしょ」


再び笑顔で、よかったねと言われた。


「俺は・・・付き合わねぇ。」


「・・・は?」


「俺は、臨也と付き合いたくねぇってたら、嘘になるがあいつが、俺のこと好きでもないのに、そこまでして付き合いたくはねぇ。」



ああ、くそっ。
言いたいことが上手く言えねぇ・・・



「え?それどうゆうこと?よく話がわかんないんだけど。」

「ああ、簡単に言えば臨也は俺のことは好きじゃねぇって、だが、付き合ってやるって言ってきたんだよ。あの噂本当だったんだよ!!」



ありえない、と言う顔をする新羅にだんだん腹がたってきた。



「静雄、それ本当に臨也が自分で言ったの?遊びでいいなら付き合うって・・・」

「ハッキリとは言ってねぇが、好きだって言ったのに対して付き合ってあげてもいいよって返したをだぜ。つまりそういうことだろ・・・」

「あの噂通りだって言いたいの?」


今から言おうとした言葉を先に言われた。


新羅もそう思ってんじゃねぇのか・・・?



「静雄、あの噂は、多分嘘だよ。だって僕は、臨也がそんなことするやつじゃないって知ってる。」

「じゃあ、俺に対したあれは、何な」
「それに・・・」


何なんだ、と言おうとして遮られる。


「僕は、臨也が誰を好きなのか知ってるんだ」



・・・は?どういうことだ?



新羅の言葉に頭が、追いつかない。




「臨也が、好きなのは、静雄・・・君だよ」


「お、俺?」

「そう、これは確かな情報だよ。なんたって臨也本人から聞いたんだから!!」




・・・臨也は、俺のことが好き・・・?




「はあああ!!」


その意味をやっと理解して、驚いた。




「多分だけど、付き合ってもいいよって言ったのは、恥ずかしがり屋の臨也なりの精一杯の告白だったんじゃないかな?」



臨也は、とてつもない恥ずかしがり屋なんだよ。と笑って新羅が付け加えるが、俺は、それどころじゃなかった。



もし、新羅の言う通りなら・・・
さぁ、と血の気がひく。



「急いで戻ったほうが良いんじゃないかな。臨也、大泣きしてるだろうし・・・他の誰かに取られちゃうかもよ」






俺は、新羅に何も言わずに、走りだした――――――





さぁ、急ぎなさい

愛しい人のもとへ―――――





(最後の誰かに取られるなんて話聞かなかっことにしよう)




静雄が、屋上に着くまであと、20秒―――――

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