キリリク

□好きだと言って
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「臨也、てめぇほかの奴に色目使ってんじゃねえ・・・」

しずちゃんが、本当に怒っているときはいつもと違い静かに怒る。

そして、今のしずちゃんは、その状態だった。

先日、クラスメイトの男子に色目を使ったから・・・らしい。

もちろん、俺には、そんなつもりはなかった。

・・・と言いたいところだが、今回は、わざとやった。

理由は簡単。
しずちゃんに、『嫉妬』してほしかった。

俺たちは、付き合っていても俺しか、好きだとか、愛しているとか言わない。

しずちゃんは、うれしそうにするものの、何も言わないのだ。

だから、しずちゃんが、うれしそうに女子とかと話しているのをみると不安になるというのは仕方ないいだろう?

だから・・・こうして、はじめて、ほっとすることができる。

それに、嫉妬してくれている、しずちゃんをみるのは、正直・・・嬉しい。


―――――が、少しやりすぎたらしい。
しずちゃんは、そうとう切れていた。


「ごめんなさい」

あまりの怖さに、俺は涙をうかべ謝った。


どれもこれも予想外すぎた――――――
そう、色目を使うまでは良かったのだ。




  ********


俺の計画は、完璧なはずだった。
どこで間違えたんだか・・・


放課後教室___。

クラスに残っているのは、俺とその男だけだった。

相手の理由は知らないが、俺は、先生に呼び出しをされて職員室に行ったしずちゃんを待っていた。



そのとき、ちょっとした考えを思いついた。

それが、この作戦だった。


しずちゃんに嫉妬してほしい・・・その思いが俺の中を満たしていて・・・

目の前にいる男が、俺をどんな目で見ているか気づかなかった・・・。
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