薄桜鬼

□戦う理由
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確かに新選組は己の志を貫く為に剣を奮う。

しかし、私は同時に守るべきものの為に戦うのだ。


私は幼い時に両親を亡くした。
行く宛ても頼る先もなくて独りさ迷っていた私を招き入れてくれたのが近藤さんだった。


近藤さんは女の子には剣を持たせまいと頑なだったが、近藤さんや土方さん、沖田さんたちの小さいながらも活気ある道場で竹刀や槍を奮う姿は幼かった私が興味を持ち、憧れるには十分過ぎた。


そして物心ついた頃には竹刀を握り、男まみれの中で稽古に励んだ成果で今では幹部クラスにも負けずとも劣らずくらいのレベルまで成長した。


一歩前に進む度にもっと強くなって皆の力になりたいと思った。

戦場に出るようになってからは、唯一自分にできる恩返しとして自分に関わって良くしてくれた人達を守ろうと決めた。


偽善だと言われても構わない

それが私の剣を奮う理由で私の全てなのだから

他の誰かに否定されようが蔑まれようが奪われることのない生きる意味


新選組にいる者は皆自分の信じる道を貫く為に此処にいる


己の道を貫く為に剣を振る


私たちは迷わない


それが例え血に染まった道であろうとも。







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