薄桜鬼

□一歩
1ページ/4ページ





(今日チョコレートくれたの奏が初めてだぞ)







あの日から一週間。

私のチョコを受け取ってくれた永倉先生の笑顔が忘れられない。

実際は恥ずかしくて下を向いてしまったので、一瞬しか見れなかったんだけど。



それでも、その一瞬だけで充分だと思える程、受け取ってくれた彼の笑顔が忘れられない。


「あーもうどーしよ…」

忘れられないどころか頭から離れない。授業を受けている間でも、気を抜くとふとあの顔がフラッシュバックする。
その度に、心拍数が上がったり顔が自然とにやけてしまったりで、友人達に不審がられてしまった。


やっぱり好きなんだよなぁ…


いつからなんてことは覚えていない。でもずっと前から、姿を見る度目で追いかけていた。

気づいてからは辛かった。
相手は教師で自分は生徒。

そんな立場でも千鶴ちゃんと原田先生はうまくいってるということを、バレンタインのあの時永倉先生から聞いて初めて知った。
ものすごく羨ましかった。

でもそんなこと普通はありえない。

そう、"普通"は。


やっぱり"奇跡"なのかな。
あの二人は。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ