小説

□純粋に。
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『くそっ、何でいつも逃げるんだ!』

そのあとに手を伸ばして腕をつかもうとする

「っ、触れるな触るな」

が、触れる前にさらりとかわされる

『だから、なんでそんなに嫌うんだって言ってるだろ』

懲りずに、また手を伸ばして腕をつかもうとした。
今回は楽につかめた

「うあっ…うっ…さわ、触らないでよ…離れて嫌だ汚いっ」

言いたい事をずらずらと口から吐き出しながら思い切り身体を押された。
自分は押された衝撃で腕をつかんでいた手を離してしまった

『なんだと…』

一方的な言葉にイラッとして口の中にある飴をがりっと噛み砕いてしまった

『てめえ…さっきから人の質問には答えないで自分の言いたい事ばっかり言いやがって…っ』

「っ、やだ、やめて、ごめんなさい、殴らないで」

一瞬何を言ってるのか分からなかったけど
すぐに何を言ってるのか分かった。
それは自分の左手が殴る体制になっていたからだ

『っ』

急いで手を離して一歩後ろに下がった

「怖い怖い怖い怖い、もう嫌だ、叩かないで殴らないでッ…痛い怖い、もう嫌いなのよっ」

本音がずらずらとでてくる。
今まで手なんかあげていないと思っていた。

『…ご、めん』

謝るのは嫌いだ
だけど好きな人を傷付けたとなれば別だ

「怖いから、嫌だよ、。私、もうトビオと一緒にいられないよ」

震える声でいう。

『もう無理か?』

そう聞くと
無言で頷かれた

『もう俺が嫌いか?』

そう聞くと
数分無言が続いて返事が返ってきた
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