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□さあ、どうかな。
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好きです、好きなんです。あなたのことが大好きなんです。だから側にいて、ずっとずっと。

しゃくりあげながら顔から出るもの全部出して、そんなことをずっとずっと繰り返す君。

君の肩幅やそれに連なる腕の太さ。弱々しい声とは裏腹に地面をしっかりふみつける二本の足は、君が今まで生きていた年数をしっかり伝えてあまるほどの存在の強さだった。

端から見れば大の男が情けなく泣き縋る姿でしかなかったが、泣き縋られている私は君の輪郭の奥に埋もれた齢十の少年の頃の君を思う。


『ずっと側にいるよ。』



嘘をついた。大人が子供につく嘘だ。私は君に今まで何度も嘘をついている。
君はそれを知ったらどうするんだろうね。

おうおうと声をたてるくらい泣いていた君は私の顔を見て笑う。それはもう嬉しそうに、私の嘘に喜んだ。

君の頭を撫でる。それは私よりも幾分か高い位置にあって、じとりと湿っていてそして熱かった。



『私は君が、』



その先が続かなかった。その先にあるのが嘘か本当なのか、君はそれをどう受けとってくれるのか、私にはあまりにも不確か過ぎた。

手から伝わってくる熱は十歳の君の体温よりも熱い。



さあ、どうかな。






大切な人にほど嘘しかつけない照星さん
end.


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