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□起きたら忘れる夢
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これ程、安眠していなさそうな熟睡をする人を俺は他に知らない。

眉間に深く寄った皺、青白い顔、薄そうな瞼(時折微かに痙攣する)、寝息が物凄く浅いので、俺は何度も息をちゃんとしているのか確かめている。



もし、起きたらこの前借りた本の感想でも聞いてもらおうか、ろくに読まなかったのだけれど。


それは、もし、起きたらの話でしかないけれど。

この人の為に、周りの全ての物音を疎ましく思いながら息を殺し続けている俺なのだ。




起きたら忘れる夢



白目視点
end.


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