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□その街では花火があがる
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それらは常に色が変わるのだけれど、消えていく時にぼやけて霞んでいくその様がいっとう綺麗だと思うのです。

物心つく前より白濁の闇のなかで生きている私でした。
ものを写さぬ眼球はそれでも日の光りに弱いので、それで夜に稼ぐ忍びになりました。もしくは盗っ人になっていたかもしれませんが、結局は忍びになりました。

そんな私に『色彩』がわかるのかと言われると答えに困りますが、どういう原理かは知らねども、わたしはそれらにゆらゆらと揺れる色を見ていました。見ていました、という表現も可笑しいのかもしれませんね。

それらが消えていくのはとても悲しくて恐いのです。なのに綺麗だと思いました。
こんな私の目でも美しいものはちゃんと感じれるのです。

ねえ、私は変なことを言ってますよね。どうか笑ってくださってもいいのです。あなたが笑う時の色が、とても、好きなのです。



ああ、消えてしまう、消えてしまう。

はい、綺麗かと聞かれたらそれはそれは今まで見たことないほどに綺麗、で、





その街では花火があがる

生まれてすぐから目の見えない白目ちゃん、生き死にを色で識別する白目ちゃんとかなんて厨二なの。

end.



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