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□何の意味もない
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鉄面皮の様でいて意外と良く笑う。しかも脈略のないというのがこの照星という男で、
神経質そうなその見た目だがその実大雑把もといずぼら、良く言えばおおらか、とも言えるかもしれないその性格は好ましいと言えるかもしれない。
となんとも頭の悪い感じの呟きを脳内に浮かべて、からからと笑う奴の顔を見ている。
阿呆面と言われて、うるせえ阿呆と返した。
蕎麦が食べたいと言っただけで何がそんなに可笑しいんだ阿呆。
何とは無しに蕎麦が食いたいと思った。
するとお前が独り言の様に(まあ、独り言なのだろうが)、
蕎麦が食いてぇな
と呟くのだった。
可笑しくて仕方なくて、吹き出せば、お前は呆れた顔。
その阿呆面まで何故か嬉しかった。
うるせえ阿呆、と言い返すお前が愛おしかった。
何の意味もない
end.
小島よしお。