頂戴文
□じーちゃと孫。
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ある日の昼下がり。
昼食を軽く済ませ、自室へ早々と戻っていた。
別にこれと言って用がある訳ではないが、昼食も済ませたことだしリビングにこれ以上用はないと思っただけだ。
「 …………? 」
気のせいだろうか。
子供の声が聞こえたような気がした。
だが、ここは暁のアジト内。犯罪者の巣穴に子供がいるハズがない。
子供染みたヤツが居たとしても、実際に子供が居るハズが…
「 ゲハハハハハwww 」バタバタバタ
「あーもぅ、コラ!待ちなさい!!めっ!!」
………………居た。
前方からガキと糞リーダーが走ってくる。
何なんだこの光景は。ここは託児所か?
「角都いいところに!ソレ!その子捕まえて!!」
汗だくで走ってる糞リーダーが息絶え絶えに叫んで立ち止まる。また面倒臭い…
「 止まれ… 」 「 Σうぉお!! 」
俺の横を走り抜ける前に襟首を摘まみ上げ、目の高さまで持ち上げた。
このガキ…何処かで見たような…
「ハァ…ハァ…
まったく…パワフルなガキだったんだな飛段っ!!」
「 うるせーよくそりーだー!ゲハハハッw 」キャッキャ
本当にまた面倒臭いコトになっている…
「 …………様は、またサソリの薬か 」
再びリビングに訪れた俺は、ガキになった飛段がよじ登ってくるのを阻止している真っ最中だ。
「んだよかくずぅ、のぼらせろよーっっ」よじよじっ
「飛段ちょっとお黙んなさいっ。
心配するな角都。サソリは罰として2週間の謹慎処分にしたから」
「引きこもりに謹慎処分など…休暇を与えたようなモンだな」
ため息と共に飛段をひっぺがし、床にべちゃっと落下させた。大体、ガキのようなヤツとコンビを組んでるのにも関わらず本当にガキになってしまうとは情けない。
…例えサソリの至らん薬であったとしても、忍なら仲間同士でも警戒するモノ…
「 ………っくぅ…いてぇ…いてぇよぉぉ…(泣) 」
「 Σっ!? 」
いつもなら痛みが快楽に代わるとかほざいてる癖に、大粒の涙を流し始めた。
「あーぁ。角都泣かすなよ…」
「だっ黙れ!俺は…別に…!!
お前も泣くな飛段!!えぇい!泣くな!」
しゃくりあげながら泣き出した飛段をどうしていいのか分からない。
とりあえず、横で『泣かした!泣かした!!』と騒がしい糞リーダーに鉄拳を御見舞いしてやったが…
「 うわぁぁぁぁぁぁんっ ぐすっ ひぐっ うわぁぁぁぁぁぁん(泣) 」
「 頼むから…泣くな… 」
咄嗟に抱き上げ、背中を擦った。
…前に潜入任務で入った里で、我が子を抱き上げあやしていた親を見たが…
確か…こんな感じで…
( Σっ!?/// 何故俺がこんなコトに!? )
まぁ、飛段が泣き止んだので良しとしましょう。。