桂小太郎
□そんな二人
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いつも思う。
あの綺麗な黒髪に触れることが出来たらどんなに幸せだろう。
あの背中に寄り添えたらどんなに温かいだろう。
あの瞳に映るのが私だけならどんなに嬉しいだろう。
でもそんな思いは閉じ込めたまま。
あの黒髪は乱れることはなく、あの背中は既に沢山のものを背負っていて私が寄り添う隙間もなく、あの瞳には国の未来しか映っていない。
桂さんはそういう人。
私なんかが甘い気持ちをさらけ出して近付きでもしたら、きっと斬り捨てられてしまうだろう。
だからこうして密かに想っている。
いつか桂さんに隙間が出来るまで。
いつか理想の国が完成するまで。
その時がきたら、まずは言ってやろう。
「好きです」の言葉よりも先に…
――どうしてあの時キスなんかしてきたんですか?
一度きりの気まぐれな行為のせいで、私はすっかり貴方が好きです。
end.
◎あとがき◎
両想いなのに片想い、そんな時期が一番楽しいと思います(趣味全開!
そして桂さんは恋愛に不器用であって欲しい。
でもたまに抑えられなくなって何かしちゃって欲しい(趣味全開2
そんな気分でしたお粗末様でした。
2010.6.22