夢
□怨むべきは
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ドキドキして眠れんかった、ていうんはあながち嘘でもないんやで?
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カーテン越しに差し込む朝日がうっすらと部屋に色彩を与える。
(7時過ぎ、か…)
目覚ましが鳴るにはまだ少し早い時間。
昨日なかなか寝付けなかった割に、早く目が覚めてしまったことが少しだけ悔しい。
(なんで休みの日ってはよ目ぇ覚めてまうんやろ)
まだ覚めきらない頭でぼんやりと天井を眺めて、とりとめのないことを考える。
駅前広場に11時。
今話題のベタ甘映画を見る。
もう、何度も繰り返した今日の予定を、おさらいするように頭の中でシュミレート。
(こないなええ天気やのに)
少し勿体ない気もする。
(まぁええか、美奈子ちゃんが喜んでくれるんやったら)
今までつるんできた子たちとはちょっと感じの違う女の子。
彼女はどんなことに心躍らせ、どんなことで笑うんだろう。
これからの予定を、いや、戦略を立てているうちにまた、睡魔が襲ってきた。
(8時前…もーちょい寝よ…)
強い日差しが頬を射す。
じりじりとする暑さにまどかは目を閉じたまま眉をひそめる。
(あっついなぁ…こんなん寝てられへん…)
うっすら目を開ける。
部屋の中はさっきよりずっと明るい。
(何時…)
「あかん!!!!」
一瞬で目が覚めた。
短針と秒針が時計屋でよく見るあのきれいな角度辺りに行儀よくおさまっている。
(ここから駅前まで20分として、着替えて、頭直して…朝飯は食べてる時間ないやんけ)
ばたばたと散らかった部屋を走り回る。
(あかん、こら遅刻やーーーー)
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怨むべきは、二度寝の誘惑。
夜更かししてシュミレートしたプランもベタベタ、これお約束。
100703