自害志願者

□第二章 日記
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私は中学校でも、ソフトを続けました。



摘む程の楽しみすら抱けなかったのですが、私を取り囲む人が「ここで辞めるにはあまりに惜しい」と口を揃えてはやし立てるのです。




中学に入学してから様々な部活を見学しましたが、やはりどれも心は惹かれず、ただ白んでゆくばかり。



これといってやりたいこともなかったので、私はソフトボール部に入部したのです。




或はこれも定めなのかしら、と自分の頭を撫でてやりました。




しかし、頭のどこかにある冷ややかな影が「なに、あなたはまわりの人の期待を裏切るのを恐れただけではないか」と訝しい声色で謗るのです。
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