自害志願者
□第三章 日記
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入学式。
コートをクローゼットの奥にしまう気温。
桜が散り始める季節。
でもまだ寒い風が吹き荒れる。
私は部分的に光沢したブレザーを脱ぎ、真新しい征服を身に着けていました。
入学式をする前より高校生活をイメージしていたので、既に自覚は出来上がっていました。
ですが、まわりの変に畏まった生徒は制服に着られ、リボンやネクタイが、妙にその意味を成していないように思えます。
また、浮いている。
気付いて、慌ててリボンを不自然に弛ませました。
私はこの新境地で、心を、幸いを見出せるのでしょうか。