言の葉つむぎ
□誓い
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あの頃は人間失格を読んで、葉蔵に自分の影を見、がたがたと歯をならしたものです。
けれど、今は、断言できます。
僕は葉蔵から脱した。
希望を見付けたから。
それを教えてくれた人は、もう僕の傍らにはいないけれど。
その形は、確かに僕の手中にあります。
昨日、部屋にあった人間失格を、破って捨てました。
「幸い」を求めるべき人間が、「幸い」を手に入れるのを恐れている。
人間、失格。
もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。
そう思っている、道化師に。
今後は僕が、「幸い」を兆そう。
あなたの世の中を。
「喜劇」に変えてやる。