言の葉つぶて
□内緒
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僕には秘密がある。
それは、恥ずかしくて、恥ずかしくて、とても人には言えない秘密。
きっと打ち明けたら、自分が惨めになって、惜しみなく嗚咽を漏らしてしまうから。
そして、打ち明けた相手に同情されたら、妬ましく思えてしまうから。
わかってる、わかっているよ。
それがどんなに理不尽なのか。
どれだけ、幼稚なのか。
わかっている。
嫉妬に狂い、汚い言葉を撒き散らす自分を想像する。
「なぜ僕ばかり苦しまなければいけないんだ。君はそんなに幸せなのに。それも、幸せを、ちっとも幸せと思っちゃいない。僕はその幸いを、これほど望んでいるのに。君と僕、どこが違う?幸せを、幸せと思えない君なんかより、その価値を知っている、僕が持つべきじゃないか」