ポケモン
□今も昔も
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演技ではあるが、まるで昔に戻ったように森を駆け回る二人。
サファイアをサポートしながらルビーは軽々しく森を駆ける。
しばらくしたところでルビーはサファイアに問い掛けた。
「どうだった?」
「楽しかったったい。でももやもやすると。」
「僕も楽しかったよ。でもどこか違和感があった。…僕たちはさいつも通りでいいんだよ。確かに、あの頃の記憶はとても大事なもの。でも僕達はお互いに変わった。自分自身の意志でね。」
「ルビーはあの頃のあたしが好きなんじゃなかと?」
「昔の君も今の君も好きだよ。」
「でも…」
サファイアは下を向いて考え込んでしまう。
「僕達は自分の変わった姿を相手に見せようと頑張った。その姿を見てお互いにまた好きになった。それってすごいことじゃない?」
「ルビー。」
ルビーはサファイアの顔を上げ、額に口付けを落とす。
「だから僕たちはこのままでいいんだよ。」
サファイアはルビーにぎゅっと抱きついた。